幽霊の正体見たり枯れ尾花

幽霊の正体見たり枯れ尾花
新しくないことを新しいと囃し立て。
古いものに趣を感じるが、古いものは新鮮に見えても新しくはない。
というのが昨今思うところ。
 
本当に新しいものとは。
なぜ、新しいか一見するとわからないものが多くて。
説明するのにも、説明される側にも
それなりの知識を要するのがまた難しいところ。
 
誰かが月を差す、愚か者は指をみる。
 
これは感受性が乏しい人を揶揄する古いイタリアの諺なのですが。
簡単に新しいが手に入ってしまう世の中だからこそ。
その『新しい』について深く考えてみたいもので。
 
世の中の不思議なものやことは大抵ほかの誰かが証明してくれていて。
理解できないことを神仏のせいにしたりしない。
誰かや科学がそれを証明してくれるから。
 
でも、そんな自分で考える隙間のない世の中は
果たして面白いだろうか。
わからないことがあるから、
ワクワクするし、毎日が楽しいんじゃないか。
 
洋服には。ファッションには。
まだまだ考える余白が残されているような気がしていて。
体型、顔、身体のバランス、肌の色、筋肉量、年齢、職種
トレンド、素材、サイズ感、デザイン、社会通念、常識。
 
最後の常識は少しづつ変わっていくものなのであえて加えました。
 
中世のヨーロッパではフェーデという復讐が合法化されていて。
復讐で人を殺しても免罪されるのです。
今じゃありえないけど、それが当たり前でした。
 
当たり前が変わると、ファッションも変わります。
 
ファッションに停滞はありえません。
世界中のどこかで、これがかっこいいと主張する
マイノリティーな人たちがいる限り。
地球が少しづつ自転しているように。少しづつ変化していきます。
時に激しく。
 
その時々の当たり前を崩すのがファッションの
最大の魅力な様な気がしています。
 
隙間を埋めるように。
わからないことをわかろうと努力したり。
埋まらない余白が一瞬だけ埋められて。
その瞬間に感動する。
その時のトレンドがこれだって。なったとしても来週には違うものが答えになっていたり。

移ろう季節のように。
風が吹き。花が咲き乱れるこの時分。
という概念も。この一瞬さえも。
 
ファッションにおいてはすごく意味のある価値のあることなんじゃないかなって。

 
 

考えすぎか、ていうか暇か。。笑
 
 
 

さて、考えても答えのでないことに時間を費やすのは
それこそ愚行のような気もしますので。
(そのうち僕より賢い人が証明してくれるでしょう)
 
 

そこで、本日は。
190年間変わらない。
変わっていくことこそが、当たり前のこの世界でも
変わらない価値を証明し続けているこちらのブランドをご紹介します。
 
Tricker'sの商品画像
Tricker'sの商品画像
Tricker'sの商品画像
Tricker'sの商品画像
Tricker'sの商品画像
英国最古の歴史を持つシューズメーカー。
Tricker's
その中でもブランドを代表するウィングチップのカントリーブーツ。

カントリーシューズといえば
こちらを想像する方が多いと思いますが
カジュアルウェアからスーツまで幅広く順応してくれる
このシューズはまさに不朽の名作と呼び声高く。

一足はマストで持っていてもらいたい。
そんなアイテム。
 
短靴で model:BOURTONも有名ですが、
短靴よりもブーツの方が気分なのでSTOWを今シーズンはセレクト。
 
古着で出回っていることもあり
レザーがカッサカサなままはいていたり、
サイズが全然あっていないで履いている方を見かけますが。
値段だけで選ぶのは正直センスがないなーと思っちゃいますね。

厳密にいうと。

同じ品番でもフィッテイングが違えば
全然違う表情になるし、190年の歴史の中でマイナーチェンジもしており
ラストの形が購入した年によって微妙に違うこともありますし。
誰かが履いていた靴は不自然にシワが入っている可能性もあります。
 
信用のおける販売員がいるもとで
ちゃんと説明を受けて買ってもらった方が
のちのち良いに決まっています。
そういうスタッフは大概、他のメーカーや
別の品番のTricker’sを履いている経験があるので
他のモデルやメーカーのものと比較したアンサーをくれるからです。
 
僕は長年革靴を見てきた結果。
スタイルが変われど、流行が変われど。
10年以上履いていることもあり。
現状の自分のスタイルやお店に置いている服との相性で
Tricker'sをセレクトしています。
 
Tricker'sの商品画像
実際僕自身もこのモンキーブーツを10年近く履き込んでいます。
信頼と実績のモデル。
 
新品と自分が持っているTricker's。
交換できるならどっちを選ぶ?
 
と聞かれたら間違いなく今自分が所有しているブーツを選びます。
10年間履きつづけてこれ以上履きやすいブーツはないと。
10年かけて育てたブーツは愛着がありますし、
履き込んだ方がオイルが染み込みかっこいい。
 
往年のハリウッドスター。
あの人年々男前になっていってない?
 
って感じる瞬間あると思うのですが
履き込んだTricker'sはまさにそんな感じ。
 
より渋く、ワイルドになっていきます。
 
なので、是非若い人にほど大枚を払って買って欲しい。
 
自分の人生に寄り添えるから。
購入した時と10年後の
自分の成長と靴の成長を楽しめるから。
 
ちなみにこれは別注。
コマンドソールにコバステッチはホワイトに仕様変更。
よりアメリカンな。ワークフェイスに仕上げました。
雨の日に履くと、白ステッチが黒く染まっちゃうので防水スプレーは必須。
(経験済み)
Tricker'sの商品画像
Tricker'sの商品画像
 
タンがボディーにくっついた
カジュアルなプレーントゥ。
こちらはギリギリフォーマルでも履けるように
レザーソールにしました。
ソールが変わるだけでドレッシーに見えますね。
これはカジュアルでしょ、フォーマルでしょ。
っていう論争も。
先述した通り、時代が変わると曖昧になるもので。
これぐらいなら今時のほっそいスーツにさえ合わせなければ
フォーマルと言っても問題ないかと。
(状況は人それぞれなので、不安な人は相談して下さい)
 
Tricker'sの商品画像
 
新しいものが誕生する瞬間。
それも本当に素晴らしく感動的なのですが。
  
数世紀も。時代が変われど、常識が変われど、価値も形も変わらない(なんなら年々高騰してます)こと。
そっちの方が超科学的で超人類的な気がしてしまい。
 
少し怖かったり。笑