size:237 x 304mm
hardcover
288 pages
アフリカ系アメリカ人アーティスト、ケリー・ジェームズ・マーシャル(Kerry James Marshall)の作品集。本書は、アメリカを代表する偉大な画家の一人である作者の大回顧展開催に伴い刊行され、その主要な作品がまとめられている。公民権法が成立する前の1965年にアラバマ州バーミンガムで生まれ、ワッツ暴動の目撃者でもある作者は、アフリカ系アメリカ人としての体験を想像力豊かに記録し続けた。大規模なインテリア、風景画、黒人の力強い人物像を描いた肖像画で知られる作者は、奴隷船から現在に至るまでのアフリカ系アメリカ人の歴史の物語を探求し、ルネッサンスから20世紀の抽象画、コミックブックや壁画家の伝統など、美術史に関する深い知識を駆使し表現している。豊かな色彩と筆致、緻密なパターンで黒人の中産階級の生活をダイレクトに描いた風景は様々な感情を呼び起こし、アメリカ史におけるアフリカ系アメリカ人の社会的立場を描く力強い絵画を生み出している。本書には様々なキュレーターや作家らのエッセイを豊富に収録。歴史画、ヌード、ポートレート、自画像として表現された美、風景、宗教、黒人ナショナリズムの政治など、作者のキャリアを通じて描かれた100点以上の絵画がテーマ別に掲載されている。