290 x 290mm
hardcover
174pages
アイスランド出身デンマーク人アーティスト、オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)と、リヒテンシュタイン出身のランドスケープ・アーキテクト(景観建築家)のギュンター・フォクト(Günther Vogt)による作品集。二者による異色のコラボレーションによって生まれたこのサイトスペシフィックな作品は、デンマークを代表するテキスタイルメーカー「クヴァドラ(Kvadrat)」のために制作されたものである。同社の本社が建つデンマーク・ユトランド半島のエーベルトフトは氷河時代に形成された地形が多く残ると言われており、そこの景観に、エリアソンのインスタレーションとフォクトがデザインしたランドスケープがシームレスに組み込まれ、四季を通じてその風景が「クヴァドラ」本社とともに記録されている。
この屋外インスタレーションは、5つの大きな鏡をなだらかな草原に囲まれるように水平に配置して展開されており、その鏡は氷河盆地を模している。樹木や灌木、野生の生き物の中に設置され、この未開の原野と穏やかな自然の景観の間に呼応が生まれる。周囲の景観のコンセプチュアル化を探っており、茂る草原の中で円形の鏡はくっきりとその輪郭を描きながらも、氷河プールの水面のように、鏡は変化する空を映し、上と下、内と外の境界線を曖昧にする。
オランダ人フォトグラファーのイワン・バーン(Iwan Baan)、デンマーク拠点のフォトグラファーであるキャスパー・セイェルセン(Casper Sejersen)、ロンドンとコーンウォールを拠点とするアナベル・エルストン(Annabel Elston)が季節の移り変わりを通じて作品と風景を写真におさめる。実証的知見と作品の考察にまつわるエッセイを「クヴァドラ」CEOのアンダース・ブリエル(Anders Byriel)と地質学者のミニック・ロージング(Minik Rosing)が担当。デンマーク人小説家のヨセフィン・クロガートは内側と外側の風景にまつわる考察とともにモルス山脈近くで過ごした幼少期のパーソナルな思い出を描く。デザインは、ロンドンを拠点とするデザインエージェンシー「Graphic Thought Facility」、グラフィックデザイナーのピーター・サヴィル(Peter Saville)が、作者陣とコラボレーションという形で手がけている。
※輸送の関係上、多少の傷、汚れが見受けられ可能性があります。